東京外国語大学で一般聴講生として学んでいる市民のキャンパスライフをより充実した有意義なものとするためのフォーラムです

第7回市民聴講生の集い/フリーアカデミー 

   日 時 2016年3月24日(木曜日)18:00〜20:00
   ゲスト 東京外国語大学総合国際学研究院教授 中野敏男先生
   テーマ 戦争民主主義と戦後日本
   会 場 留学生日本語教育センター1F 交流室
   参加費 無料

概要

 戦争法が成立して、いよいよ戦後日本の「平和と民主主義」の危機が実感されている。そんな時には、いやそんな時だからこそ、「戦後日本」という時代の意味そのものがあらためて問われることだろう。そこで、「戦後民主主義」ではなく「戦争民主主義」という観点から、この「戦後日本」について再検討してみたいと思う。民主主義を真に平和に生かすために。

実施報告

 3月24日、上記の予定通り第7回フリーアカデミーを開催することができた。
 ゲストの中野先生は、音楽、ビデオを含む多くの資料を満載した42シートのパワポを準備して、内なる(国民国家レベルの)民主主義が外部への植民地主義と表裏一体の関係で発展した近現代日本の民主主義のいわば負の側面、日本人が見ようとしてこなかった側面に多面的な角度から光を当て、気迫のこもった論を展開された。
 年度末でもあり、参加者は13名といつもより少なかったが、刺激に満ちた問題提起を受け、活発な質疑応答が、予定を超えた20時15分まで行われた。さらに、場所を多摩駅前のアエロポルタに移し、ゲストを囲む談義に花が咲いた。
 中野先生は今年度で外語大を定年退職される。すでに最終講義を済まされていたのにも関わらず、私たちの会の依頼に応じて多忙な時間を割いていただいたことに、改めて感謝したい。また、今回のフリーアカデミーが、中野先生の本当の最終講義となったことを、本会の誇りとしたい。

当日のお話のパワーポイント原稿

中野先生が当日使用されたパワーポイント原稿をPDF化したものを資料として掲載します(1メガバイト以上のファイルをアップできないため3分割してあります)。
戦争民主主義と戦後日本1
戦争民主主義と戦後日本2
戦争民主主義と戦後日本3

参加者感想

 
参加者感想文1
 3月24日(木)18:00〜20:00、留学生日本語教育センター1F交流室において、対話型の学びの場を目指す「市民聴講生の集い/フリーアカデミー」の第7回が、ゲストに本学総合国際学研究院教授中野敏男先生をお招きし、実施されました。
 当日は、本学の2015(平成27)年度卒業式及び学位授与式が実施されるなど、先生には、とてもお忙しい中、「戦争民主主義と戦後日本」をテーマにお話をしていただき、議論を深められたことを大変感謝しております。

 そもそも、「戦争民主主義」とは、どのようなことなのであろうか?私たち戦後世代は、「民主主義」というと、「平和と民主主義」をイメージし、また、そのように教育を受けてきたように思っていた。
 ところが、日本近現代史において、「民主主義」の時代には、
 崋由民権運動」の時代    1894年 日清戦争 → 日露戦争
◆崑臉汽妊皀ラシー」の時代  1931年 満州事変 → 日中戦争
「戦後民主主義」の時代    1950年 朝鮮戦争 → ベトナム戦争
の三つの時代があり、いずれも、「戦争民主主義」の時代である、という。
「戦争民主主義」とは、「戦争を支持しそれに依存する民主主義」である、ともいう。
戦後70年現在の日本においては、「安全保障(安保)関連法」の成立など、「平和と民主主義」の危機が懸念されている。
「民主主義」を真に「平和」に生かすためには、「戦争民主主義」への「注意と批判」が必要なのであろう。(am)
参加者感想文2
 3月24日、今年度で退職なさる中野敏男先生をお招きして開催された市民聴講生の集い/フリーアカデミーで、本学在職中での先生の実質的最終講義を拝聴する機会に恵まれました。
 今回のテーマである「戦争民主主義」とはあまり聞きなれない言葉です。民主主義を標榜する大国が次々戦争をしかけている状況を見れば、民主主義なら戦争は起きないとはさすがに思っていませんでしたし、そもそも民主主義が適切に機能していないのではないかとの疑問も持っていました。しかし「戦争民主主義」という強烈な言葉を用いて、日本の民主主義は戦争を支持し依存することで成り立ってきたのだと説明する視点は大変刺激的でした。
 実は中野先生の講義を拝聴するのは今回が初めてではありません。今回のお話も含め、日本の近代、特に戦後が実際にどのようなものであったか、政治面だけでなく人々の心情の面からも、詳細な資料を駆使した非常に説得力のある講義を伺ってきました。それらは私にとって知識として勉強になるというどころではなく、私自身の考え方や生き方の根幹にも関わることであり、長年心の底でもやもやしてきた思いが解明された、非常に重大な経験でした。
 特に今回のテーマの舞台である戦後日本といえばまさに私自身が生まれ育ち生きてきた時代と重なります。私は戦後8年経って生まれました。現在と比べれば決して豊かではなくとも、安全で特に不自由のない生活を送ってきたと思います。戦争を放棄した新憲法と民主主義、経済発展。日本人は優秀で勤勉だから敗戦からこれほど復興できたという誇り。そんな教育とメディアの言説に囲まれ、戦争とは無縁で生きてきたと思ってきました。中学や高校の日本史で習う現代史は駆け足で、「特需」などという言葉も確かに聞きましたが、立ち止まって深く考える余裕はありませんでした。そして民主主義や経済発展を称揚し日本の優越性を語る心地よい言説に流されてしまっていたのでした。
 ただそれとは別に、子供の頃から「日本」の社会で当然とされていることに違和感を持つ感覚があり、それを周囲に話しても相手にされないという経験もしました。また、日本や世界の情勢に関しても、新聞やテレビやネットの情報だけでは簡単に答えが探せない疑問も持ち続けてはいました。そしてあれこれ模索するうちに、ほとんど語られずにいることに真実があることも、いろいろな経験から少しずつ見えてきたのです。
 そんな思いでいるときに大学での講義を聴くという選択肢があるのを知りました。様々な授業を受ける中、中野先生の講義で戦前戦後の社会の状況、しかも一般には語られて来なかった事実を知って、今まで漠然と疑問に感じていたことの多くが非常に腑に落ちる気がしたのです。自分の子供時代や学生時代の日本社会を客観的に振り返ることもできました。特に『詩歌と戦争 白秋と民衆、総力戦への「道」』は、国民がなぜ戦争支持となってしまったのか、童謡の郷愁が愛国心へ、内への優しさが外への暴力となり、そして総力戦へと向かう道筋に納得がいきました。戦争を知らない子供であるはずの私が軍歌を今でもいくつかしっかり記憶して歌うことができることに愕然とし、無意識にしみこんで来る感覚や常識、社会通念といったものの怖さも実感しました。
 そして現在、戦前に回帰しようとするような政府と、それを国民が確かな民主的選挙で選んでしまっているという「民主主義」の危うさも、過去に繰り返された歴史を振り返ればよく理解ができます。都合の悪いことは隠され、国民も聞いて心地よいことの方を受け入れたがります。政府やメディアの伝えることを簡単に鵜呑みにせずおかしいと思うことは表明していかなくてはまた同じこと即ち戦争が繰り返されるのは、歴史が教えてくれています。
 中野先生のご退職はとても残念ですが、外語大にご在職中の同時期に偶然縁あって講義をいくつか拝聴できたことは、私にとって非常に幸運でした。「戦争民主主義」の言葉と共に過去と現在の事実をしっかり見極めた上で、日本の将来を真剣に考えていきたいと思います。
 最後に私にとって聴講を含めた生涯教育の醍醐味は、何歳になっても新しいことや知らなかったことを学び、受け入れ、常識や先入観に捉われずに過去を新しい視点で見直し、未来につなげる可能性を探ることです。そのためにも頭をいつまでも柔軟にしておきたいと考えています。














TUFS市民聴講生の会












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